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意外と粗い?脚本

昨日はクドカンの脚本がスゴイって書いたけど、
感想を書こうと思って、よくよく思いおこすと、
この脚本、発想力はすごくあるんだけど、
腑に落ちないところが多々あるよね。
私は最後にはパズルのピースがきれいにおさまって
絵が完成するような作品が好きなので、
今回も2つの時代と舞台が、きれいに一致してくれると、
すごい満足感になったと思うんですけど、
そこまでは至ってないんですよ。
こないだのピンクパンサーじゃないけど、
小ネタ、小技とメタルのパワフルさで思考を奪われて
ごまかされてる感じが少々する。

何を言いたいかというと、
ランダムスターの話とマクベス内野の話が
最後に重なりあうんだけれど、
とくにマクベス内野の話の方に無理が相当ある気がした。

ネタばれしますよ。




まずは、王殺し(ネタバレしてますよ)
原作では、マクベスが夫人にそそのかされて王を殺害し王位につく。
ランダムスターの話は、ほぼこれに一致する。
マクベス内野の話では、殺害は行われず、ローズにそそのかされて
「メタルマクベス」のバンドが元社長のもとから離れる。
まあ、殺害の代わりに現代らしく独立したってこと。

夫人とローズのそそのかしは、
王位を狙え、「メタルマクベス」でトップを取れ
ってところでは合致してる。
目指すはトップ、邪魔者は消す
ランダムスターの話は、邪魔者を消す手段が殺人。
バンドの話は、邪魔者を消す手段が独立やバンドからの解雇。
なら、わかるんだけど、バンクォーは殺されるんだよね。
殺人はバンドの方の世界観的にはおかしいと直感的に思った。

主軸であるランダムスターの話の方には、
「メタルマクベス」の音楽からの妄想がからまってくるのは
わかるんだけど、バンドの話の方には、
ランダムスターの話は介在のしようがないよね。

でも、ここで、ふと2つの可能性に思い至った。バンドの話の方は、
①ランダムスターが楽曲と魔女の言葉からつくりあげた幻想
②マクベス内野がシェークスピアの小説「マクベス」に感化された。
②のほうが有力だな。
ランダムスターの話に「メタルマクベス」のCDが影響を与えたように、
バンドの話の方も小説「マクベス」が影響を与えた。

バンクォー殺害をパンクスに依頼した直後に登場する
ローズたちに向かってシェークスピアの「マクベス」のセリフを
かけるものね。そして、「読んだのね」ってローズは言う。
だから、バンクォー殺害が小説「マクベス」の影響を
受けたものと解釈できるかも。
ただマクベス内野は元社長を殺していないし、この時点では
精神の破綻も起こしていないし、殺人の動機が薄いのは否めないなあ。

最後に二つの話を符合させるためには、マクベス内野とローズも
精神を破綻させていないといけない。そのためには、
バンクォー殺害をバンドの話に持ってくる必要がある。
というのは、非常によくわかるんだけど、殺人の動機が薄いんだよな。

それから、ローズの精神の破綻も唐突で違和感のある話。
ローズは殺害には何一つ関っていないし、
自分の浅はかなそそのかしが、殺人を犯させたということを
ローズが自覚していたのなら、
良心の呵責から精神が病んでいくのは理解できるのだが、
そのあたりは、描かれていないので、観客が推測するしかない。

王がこれから殺害されることを知っていて
にこやかに仮面をかぶって演技する夫人と
パーティーの席でバンクォー殺害がマクベス内野の仕業だと
まったくわかっていなくて気丈にパーティーを仕切るローズとでは
その精神状態に相当な違いがある。

夫人の方の5周年のパーティーは描かれないが
おそらく、このパーティーの後、夫人もローズも
マクベスがバンクォーを殺害し、それは自分がきっかけをつくった
ってことに、のめりこんでいって心が壊れていく。

そこは違う次元のシーンを見て、
観客が脳内で補足していくしかないんだよね。

私がマクベス夫人はよくやってるなと思うのは、
短いポイントポイントでの出演シーンで、
そのときの夫人のキャラクターを端的に理解させる演技を
しているなと思うところ。
しかも、二つの時代を結ばなくてはならない。
役者の力がないと無理のある脚本だよ。きっと。

これねえ、「明るいほうへ明るいほうへ」っていう
金子みすゞの生涯を描いたTBSのドラマでも思ったことがある。
短い時間で、一生をやろうとするものだから、
多くの人との関係性をわずかな時間で表さないといけないから、
なかなか深くできないんだよね。
だけど、そのわずかな時間のシーンで
その背景を視聴者が推測できるような芝居をすれば、
なんとか視聴者に感動を伝えていくことができる。
彼女が流す本気の涙を見て、ここでは深くは描かれてないけれど
ああ、この人は○○さんが好きだったんだなと思うことが
できたんですよね。このとき、彼女は力のある役者だなと思った。

今回の「メタルマクベス」では、
メタル新感線の高出力の光と音の洪水、
それぞれに見せ場を与えられた役者たちの勢い、
そういったものが、脚本の粗い部分を補ってあまりあって
楽しいエンターテイメントになっているのだろうと思いました。
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