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「保存・改修」か「改築」か

「保存・改修」か「改築」かでもめている貴重な学校建築の話を。

DOCOMOMO(ドコモモ)というのがあります。
「Documentation and Conservation of buildings,sites
and neighborhoods of the Modern Movement」
この頭文字をとってDOCOMOMOです。
1988年に設立された近代建築の保存と調査のための国際学術組織ですが、
この日本支部が日本の近代建築20選を選定したのですが、それに
選定されたのが、松村正恒という建築家がつくった日土小学校です。
他に選定されたもので有名なものは、京都中央電話局西陣分局、
山邑太左衛門別邸(フランク・ロイド・ライトの設計)、
大丸心斎橋店などです。関西の建物ばかりあげてしまったのは、
単純に私が関西出身で、なじみの建築なもんで。。。

さて、日土小学校に話を戻して、この学校は、建築的には、
日本独特の木構造でモダニズムの建築デザインを実現している点に
建築文化資産としての大きな価値があります。だからドコモモなんですが、
ドコモモの「近代」の名建築である意味は空間構成にもみられます。
ホームルームの独立性を確保できるクラスター型(ぶどうの房型)の
教室配置の最初期の事例でもあり、明るく気持ちのよい空間は、
実際に使っている子どもたちの評価も高いんです。
つまり、この小学校は、実際に子ども達が現在でも使っているからこそ、
「保存・改修」か「改築」かという話も出てくるんですよね。
そして、この学校は、木霊の学校とも言われています。
「日土」は「ひづち」って読むんですが、名前もいいでしょ。
これは写真を見てもらうとよくわかるんだけど、
http://www.wada-archi.com/hizuchi/
川に張り出したテラスがあるんですよ。
まさしく自然と融合したデザインで、子ども達が自然と親しめるように
なってるんです。
立派な建築家は、使う人々のことを想って建築をつくります。
この建築は子どもたちを教え育てるためにつくられたものなんです。

この建物は、中校舎が1956年、東校舎が1958年に建てられていて、
ちょうど50年を迎えようとしています。当然、老朽化しています。
何年か前にひどく台風ガ吹き荒れた年がありましたよね。このとき、
屋根瓦などにも被害を受けました。

この建物は過去の遺物ではなく、現在も使われている生きた建築です。
日常の使用に障害も生じてしまったら、直さなくてはなりません。
今、使う人たちに適した状態にもしなくてはなりません。

冒頭で、「保存・改修」か「改築」かと書きましたが、
ここ数年、保存・改修を訴える建築家側と、
安全や使いやすさのためには改築するしかないというPTA側とで
まっぷたつに意見が分かれていたんです。

さて、みなさんはどちらの立場をとりますか?

というのは、意地悪な質問なんです。
これだけを聞くと、「保存・改修」か、「改築」か、
小泉さん的二者択一のようなスタイル・・・
なんとなく「保存・改修」は文化財の側面を重視していて、
使う側のことを考えていない印象を持ちませんか?

「保存・改修」派も安全性や実用性を決して軽視してるわけではなく、
建築に現れている「子どもを育てる理念」、その建築家の哲学、
それこそが大切にしたいものなんだと思うんです。
でも、一般の人にはわかりにくいし、伝える場もなかった。
「改築」派も文化性を決して軽視しているわけではないけれど、
建築家側が子ども達のためではなく、
建築を残すことにのみこだわっているとしか捉えられなかったし、
古い建物のとくに安全性などに疑問を持つのも仕方がない話です。

こういう簡単なキーワードでくくった論の対立ほど
無意味なものはないんで、専門家である建築家側は
ずっと、PTA側ときちっとした話をしたかったんです。
でも、地元も二つに分かれていて対立していたために、
話をする場がなく、溝はあまりに大きかった。
だから具体案をつくった。
そして、それを説明できる場を与えられた。
そして、その後、両方が合同で現地を視察し、
意見を交換しあう場も与えられた。
場が与えられること、これが本当にむずかしいんですよね。

意見をしっかりぶつけあい、建築家側は
その結果をもとに案を作成し直す誠意を見せ、
まだまだ、最終的な着地点に至るまでには、
困難はあるもののの、一歩進んだんじゃないかなと
個人的には思ってます。

目指しているものが、双方それほど変わるものではないなら、
それを共有できれば、そのためには何がベストなのかは、
議論すれば必ず双方納得のいく地点へと向かうはず。
いい方向へ向かうといいな。
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